回答者のITスキル標準レベル
今回の調査では、回答者に対して、日本のITスキル標準に定義されたレベル表現を用いて自身のレベルを尋ねた。
回答者の平均レベルを見ると、米国のみ平均レベルが「4.05」とを超える結果となった。続いて、インドが「3.90」、中国が「3.58」となっている。日本は「3.17」であり、韓国に続いて下から2番目となった。
日本と韓国は、ともに「レベル1」と「レベル2」の人材が約4分の1に上っている。また、日本は、「レベル1」の人材の割合が7.4%と最も高い。
出典元:経済産業省 「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」 平成28年6月10日調査結果
海外のIT人材のスキルアップに対する意識は高いのか?
技術の進歩が速いIT関連業界で活躍するIT人材にとって、自らスキルアップするための意欲や取組は非常に重要である。こうした観点から、今回の調査では、各国のIT人材が「業務以外でどのくらい勉強しているのか」、また「どのような取組を行っているのか」について尋ねた。
その結果、それほど大きな差ではないものの、「業務で必要かどうかにかかわらず、自主的に勉強している」という回答は、日本において最も低いという結果になった。また、具体的な取組については、WEB上での情報収集は積極的に行っているものの、WEB上で開講される教育・研修を受講したり、社外の研修・セミナーに参加したり、コミュニティ活動に参加している人材の割合は、他国よりもかなり少ないことが把握された。
出典元:経済産業省 「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」 平成28年6月10日調査結果
ITに関する仕事についての共通認識
今回の調査では、ITに関する仕事についての認識として、「仕事が好きかどうか」、「競争が激しいかどうか」 についても尋ねた。
「この仕事が好きである」については、いずれの国においても、多くの回答者が「あてはまる」と回答している。日本と韓国では、「あてはまらない」という回答が他国よりもやや多くなってはいるものの、全体としては「仕事が好き」と感じている回答者が多いといえる。
「この仕事は競争が激しい」についても同様に、各国間に多少の差は見られるものの、いずれの国においても多くの回答者が「あてはまる」と回答している。一般的に我が国でも、IT関連の仕事は技術の移り変わりの早さについていかなければならず、環境の変化が早いため競争も激しいと言われることがあるが、そうした認識は各国でおおむね共通していると考えられる。ただし、日本と韓国では、「あてはまる」という回答が7割をやや下回っており、「競争が激しい」という認識は他国ほどには強くない可能性がある。
出典元:経済産業省 「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」 平成28年6月10日調査結果